勉強法

国語の勉強方法

現代文の独学可能度
古文の独学可能度
漢文の独学可能度

編集長のひとこと

受験において、一番安定しない科目が国語と言われています。確かに、国語は試験によって文章の内容ががらりと変わってしまい、安定して点数取ることは難しい教科に見えます。しかし、国語の核となる「基礎力」を徹底して勉強していくことで、安定して点数を取ることも可能なのです。国語は、4つの分野に分かれていて、「評論文」、「小説」、「古文」、「漢文」それぞれの「基礎力」を伸ばしていくことが大切です。では、いったいどのような勉強をしていけば、国語の成績を上げることが出来るのか、偏差値を上げることが出来るのか、今回は「国語の勉強法」ということで、ご説明いたします。

古文

古文のカギは英語?

古文で安定した成績を取るためにカギとなるのは「英語」です。実は、英語の成績が良い生徒の多くは、古文の成績も良い生徒が多いです。古文と英語は、全く異なる言語ですが、そこには共通点があります。それは、勉強の仕方が同じという点です。英語の勉強をする際には、3つのステップがあります。1.単語、2.文法、3.長文読解というステップを踏んで勉強することで、英語の成績を早く確実に伸ばすことが出来ます。一方で、古文の勉強方法も、1.古文単語、2.古典文法、3.古文読解という風に、勉強法としては、同じステップをたどると比較的成績が安定します。古文も英語と同じく言葉ですので、まずは基礎となる、単語と文法を覚える、そして、古文読解に挑むのが良いです。

大学入試に必要な古文単語の数は?

古文は英語と同じように勉強していくことが大切と説明しましたが、その勉強量を比較すると、圧倒的に古文の方が量は少ないです。大学入試に必要な英単語の数は、約3000と言われています。一方で、古文単語は300語程度です。それに加えて、大学入試では、覚えた古文単語がそのまま設問で問われることも多いです。しかし、たった300語だからといって、後回しにするのは禁物です。出来るならば、早いうちに覚えてしまったほうが、後々楽になります。ではどのように覚えていけばよいかその勉強方法を見ていきましょう。

古文単語の覚え方

古文単語を覚えるときには、まず古語の由来を知るとよいでしょう。例えば、「やむごとなし」という単語は「立派だ、身分の高い」というような意味を持ちますが、その由来としては、やむごとなしは、もともと「止むことなし」という意味で使われていたからと言われています。止むことなしというのは、やめなくともよいほど自分の身分が高いだから、「やむごとなし」になったのです。という風に、その言葉のもともとの意味や漢字、由来を知ることによって、覚えようとしなくとも勝手に覚えることが出来ます。このように由来が載っている古文単語帳がありますので、おすすめの参考書に後述します。そのような由来で100~200は覚えることが出来ます。残りは、100程度なので、なんとか覚えることが出来ると思います。単語の学習で最も大切なことは「復習」です。日ごろから繰り返し復讐をしていないと、古文読解として長文を読むときに、中々単語の意味が出てこないということもあります。覚えた後も最低でも3日に1度は復習を心がけましょう。

古文読解

古文の勉強に大切な要素の最後は、「古文読解」です。古文は昔日本で使われていた言葉です。だからといって、勉強無しで現代語訳できるほど簡単ではありません。古文の学習法ということで、最初にも説明しましたが、大切なことは「基礎の学習」です。古文で言うのならば、古文単語、古典文法、この2つをしっかりと身につけることが、古文の成績を上げる一番の近道です。その2つを身につけてやっと、「古文読解」に入ることが出来ます。

古文読解は入試で頻出!

古文は、単語や文法と知識だけで答えられる問題も出題されることはありますが、一番頻出の問題は、「古文読解」です。センター試験では1枚から2枚にもわたる長い古文読解が出題されます。その分量を始めてみる受験生は、誰でも驚いてしまいます。まだ、センター試験の古文の問題を見たことがないという人は、一度見てみると良いでしょう。そのような長い長文を解けるわけがないと思う方もいるかと思いますが、心配はご無用です。基礎を徹底した後に、古文読解の勉強をすれば必ず読めるようになります。ではいったいどのような勉強をすれば、古文読解をすることができるようになるのか、ご説明していきます。

古文読解のカギは、主語と述語

古文読解で、もっとも注意しなければならないことは「主語と述語」です。日本語は、他の言語に比べて主語を省略するということが多いです。例えば、自分の家の中で、友達と遊んでいるとします。そのとき友人のA君にお菓子を勧めるならば、どのように勧めますか?一般的には「お菓子、ここにあるから食べて食べて!」というように主語を省略します。何度も話しかける人に、いちいちその人の名前を読んでいたらくどくなってしまいますよね。この傾向が、実は古文にもあるのです。「何度も繰り返される主語は省略される」という現象が起きます。もちろん、今の日本語でなら、ある程度の省略ならば、誰もがわかりますよね。先ほどの会話で「お菓子、ここにあるから食べて食べて!」と言ったときに主語にはA君が省略されているという風に分かります。しかし、古文になると私たちが普段慣れ親しんでいる言語ではないこと、そして古文特有の単語が多く含まれているので、省略に気づくことが出来ません。だから古文読解をする時には、必ず、「述語を見たら何が、誰が主語か確認する」癖をつけておきましょう。もう一つ具体的なテクニックを一つ言うならば、文章を繋ぐ「て」と「、」が来た場合、その前後の主語は同じになることが多いです。その一方で、「を」「に」「が」「ど」「ば」という助詞が来た場合、文章の前後の主語は異なる主語になっている可能性があります。例えば、「我、竹を取りて、万のことにつかひける」という文章ならば、「私が竹を取って、(私が)万のことに竹を使った」という現代語訳になります。つまり、取りての「て」の前後の主語は「私」になります。繰り返しますが、このように「て」と「、」の前後には同じ主語が来ることが多いです。他には、「悲しという人を見れば、月出にけり」という文章を現代語訳すると、「(私が)悲しいと言っている人をみると、月が出てきた」という現代語訳になります。ポイントは「ば」の前後で主語が変わっているということです。前半では、「私が」悲しんでいる人を見ました。そして、「ば」を挟んだ後の主語は、「月」になっていますね。このように、主語が同じつながりをする助詞と、主語が変わりやすい助詞があると覚えておくと、主語述語を見分けやすくなります。

古文の代表作「源氏物語」では、助詞と敬語が50%

言わずもがな、古文を勉強している人ならば誰でも知っている「源氏物語」ですが、この作品の中に出てくる助詞と敬語は、本文の50%と言われています。半分が「助詞と敬語」から構成されているのです。源氏物語は、古文の数ある作品の中でも難しいと言われています。その原因となるのが「敬語」です。敬語は古典文法を勉強する際に、どのような参考書でも必ず学ぶことになります。しかし、覚えるべき内容も多く、その言葉も似たようなものが多いために、入試まで先延ばしにしてしまう生徒が後を絶ちません。源氏物語は、入試問題の中で最も出題されやすいだけではなく、源氏物語以降の作品のほとんどが源氏物語を真似て執筆されているともいわれています。だからこそ、源氏物語で頻出の「敬語」は早く覚えてしまいましょう。古文読解を苦手とする受験生が多いのは、「敬語」と「助詞」を勉強している学生が少ないからだと私は思っています。この2つの分野は、先ほど述べた「主語と述語」をつかむことに密接に関わっています。古文読解のカギとなる「主語と述語」をおさえるためにも、まずは、「敬語と助詞」を早めに勉強しておきましょう。

番外編

「古文常識」は勉強するべき?

古文常識という言葉は、受験生におなじみで、よく聞く言葉だと思います。古文常識は勉強するべきかどうか、気になっている受験生がとても多いので、その真偽について話していきます。

古文常識って何?

古文常識とは、古の人たちの暮らしや恋、遊びなど、今とは全く異なる常識のことです。例えば、昔の人の恋は、「文(ふみ)」から始まることが多かったと言われています。男の人は夜になると、女の人の寝室に行き、文を読みます。電気もなかった時代なので、お互いの顔を見ることは出来ません。そのような恋模様について、書かれた作品も数多くありますので、古文常識がわからないと話が読みづらくなるということもあるのです。

古文常識は、絶対に勉強するべき?

もちろん、古文常識がわからないからと言って、文章の内容が全くつかめないということはあまりないですが、知っておいたほうがスムーズに古文読解をすることは出来るでしょう。だからといって、時間がないのに時間を作って勉強をする必要はありません。おすすめとしては、休憩時間などのスキマ時間を利用して漫画版源氏物語を読むことです。そこまで分量もないので、休憩時間にすぐ読むことが出来ます。また、源氏物語は、その後の作品に関わってくるほど、古文の基盤ともいえる作品なので、一通り読むことで、古文常識を身につけることが出来ます。もしかすると、入試で源氏物語が出題された際に、漫画版で読んだ内容が問題となることもあるかもしれません。時間がなく、急いでいるという受験生にこそ、おすすめの一冊です。

おすすめ参考書(古文)
レベル1 基礎固め~GMARCH、関関同立レベル

マドンナ古文単語230
マドンナ古文単語230

インプット
マドンナ古文単語は、通常の古文単語帳に比べてその単語数は少ないですが、すべての単語の由来が書いてありますので、非常に覚えやすい作りになっています。丸暗記するのが苦手という人は、この単語帳をすべて覚えて、足りない語彙数をカバーするために、過去問や問題集でよく出た単語を覚えると良いでしょう。

読んで見て覚える重要古文単語315
読んで見て覚える重要古文単語315

インプット
この単語帳は、イラストやゴロがついています。そして何より、この単語帳一冊で、受験に出る重要古語をすべて網羅しているのが特徴です。丸暗記が得意という人は、マドンナではなくこちらの単語帳を使ってみても良いかと思います。ただし、いずれにせよ、単語帳は相性が大切なので、本屋さんを利用することで、実際に見て使い勝手の良さそうなものを選ぶようにしましょう。

富井の古文読解をはじめからていねいに
高校基礎から 富井の古文読解をはじめからていねいに

インプット
古文読解のはじめの一冊となるような参考書です。古文読解はもちろん、古文常識、古典文法も含まれていて、全体的にとてもバランスが良いです。また、イラストが多く非常に取り掛かりやすい参考書なので、高校1年生からでも取り組むことが出来ます。

望月光古典文法講義の実況中継1,2

望月光古典文法講義の実況中継1,2

インプット
古典文法の参考書の中で、一番のおすすめがこの参考書になります。その理由としては、受験に必要な文法全てをわかりやすく講義形式で説明してくれるために、非常に覚えやすいです。また、レベルもこの本一冊で十分なので、他の文法書をする必要がありません。ただし、講義系の参考書なので、インプットが中心となります。別にアウトプット用の参考書を勉強したほうが定着率は高まります。

古文解釈はじめの一歩
古文解釈はじめの一歩

アウトプット
この参考書は、古典文法が半分で、残りの半分は古文読解の内容を扱っています。分量はとても少なく、一週間もあれば十分に終えることが出来るので、名前の通り、はじめの一歩として利用すると、スムーズに古典文法や読解の勉強に入ることが出来ます。

古文上達 基礎編 読解と演習45
古文上達 基礎編 読解と演習45

アウトプット
この参考書は、アウトプット用の参考書になります。基本的な問題が多く、難しい問題は少ないですが、とてもシンプルな構成になっております。別冊の解説書がついており、解説もとても分かりやすいです。高校基礎レベルからGMARCHレベルを目指している人におすすめです。

元井太郎の古文読解が面白いほどできる本
(画像:アマゾンから)
元井太郎の古文読解が面白いほどできる本

インプット アウトプット
古文読解の具体的な方法論を身につけることが出来る参考書です。解説がメインになるので、完全インプット用なのと、分量が多いことがデメリットですが、私大受験から国公立受験までと非常に幅広いレベルに対応できます。古文単語と古典文法を身につけたけど、読解で点数が取れないという人におすすめです。

古典文法基礎ドリル
古典文法基礎ドリル

インプット アウトプット
多くの個別指導塾などでも使われている、王道のドリルです。
基本的にはアウトプット(問題)が中心ですが、基本的な内容から発展的な内容まで、段階的に学習することができるような構成になっています。文法書(インプット型)などの参考書で学習した後、要点を確認しながら基礎を固めるのに最適なドリルです。ただ、全てのレベルを段階的に学習していくため、どうしても分量が多くなってしまうのが難点です。場合によっては、確実に解ける問題は飛ばし、苦手な部分の少し前から解いてみるなどの工夫が必要かもしれません。

早慶~旧帝・難関国公立レベル

古文解釈の方法
古文解釈の方法

インプット
古文解釈の方法は、昔から受験生に使われている参考書です。国語版のビジュアル英文解釈のような参考書で、身につけることが出来れば、どの大学入試の問題でもなんなく解ける力がつくでしょう。ただし、大学受験の参考書としては、分量が多く、レベルも高いので、ややオーバーワーク気味です。難関大学に挑む文系の受験生におすすめの一冊です。

古文単語ゴロゴwithCD
古文単語ゴロゴ with CD

インプット
受験界で一世を風靡した古文単語『ゴロゴ』です。単語をゴロで覚える上、少しふざけた漫画チックなイラストが多いことから、これを批判する教育者は少なくありません。しかしながら、難関大学を目指す受験生であれば、この単語帳を余すところなく制覇する必要があります。単語の3つ目、4つ目の意味や、各ページの右下に掲載されている用例におけるまで、全て丁寧に学習してみてください。特に、ところどころに書かれている文法事項は、難関国公立志望者でも見落としがちな事項が網羅されているので、最終確認の意味合いも込めて、1冊をやりきってみてください。

古文上達 読解と演習56
古文上達 読解と演習56

アウトプット
難関私大を目指す方であれば、是非解いておきたい1冊です。
解説が比較的しっかりしているため、一人での学習がしやすいという特徴があります。
志望校の過去問や基本的な問題集に飽きた方は、挑戦してみてはいかがでしょうか。

古文(河合塾SERIES 入試精選問題集)
古文(河合塾SERIES 入試精選問題集)6

アウトプット
入試精選問題集のシリーズは、古文に限らず難関大学を目指す受験生の定番問題集と言えます。問題数はそれほど多くないですが、一つ一つの難易度が非常に高いため、1冊をやりきるには比較的時間がかかります。河合塾から出版されているものなので、解説の内容も信頼度が高いので、難易度の高い問題の演習を重ねたい人にはおすすめの問題集です。

古文(河合塾SERIES 入試精選問題集)
古文読み取りの技術6

インプット アウトプット
インプットとアウトプットを両方同時に行うことができる、非常に優れた参考書です。無理なく古文読解に慣れることができるので、比較的どのレベルの人であっても使用することができます。
これを1冊丁寧に解きこめば、難関国公立大学の問題にも対応することができるので、高いレベルの読解力を身に付けたい人にもおすすめの参考書です。

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