物理の勉強法

独学可能度

編集長のひとこと

参考書だけでレベル順に完璧にしても同じ問題は解けるが、模試や入試問題などの初見の問題を解き切る力をつけるのは難しい。学校や塾で質の高い先生に教わることをお勧めします。
編集長 香西

物理というだけで、苦手に感じる方が多いようです。ですが、物理というのは入試の中では簡単な科目の一つなのです。理由は簡単、覚えなければならない公式が少ないうえ、その少ない公式で簡単な問題から難しい問題まで解答することができる科目だからです。例えば、化学や英語の得点は、知識量に比例しますし、数学は発想の転換も要求される教科です。物理の場合、簡単な問題は公式を覚えて正しく使うだけで解答できますし、旧帝大で要求される難易度の高い応用問題にはある程度の補足がつけられている場合が多く、最低限の得点を確保しやすいという傾向があります。
 そんな物理の勉強法は、シンプルです。「公式をきちんと理解し使いこなす」×「応用問題を解く練習を積む」の2点です。
まず、「公式をきちんと理解し使いこなす」ことから説明します。

公式を理解するということは、1) 公式で用いられている文字の意味を理解すること 2) 公式を使うことができる条件を知ること 3) その公式が属する分野を体系的に理解することが大事です。ですが、難しいことはありません。実は、皆さんが持っている学校の教科書にすべてきちんと書いてあるのです。これを理解するとともに、実際に問題を解くことにより自分の理解度を確かめましょう。そして、たいていの場合、公式というのは補完関係にあります。公式ごとにカバーできる範囲全体を集めると、その分野の考え方を網羅的に把握できるようになっているのです。この全体像が見えれば、どんな応用問題が出ても動ずることはないでしょう。
 次に「応用問題を解く練習を積む」ことです。物理の場合、難しい問題の解き方は以下の通りです。
① 問題を理解し、解く手順をイメージすること。
② 適切な公式を選択する。
③ 正確に計算する。
④ 問われたことをこたえられているかを確認する。
どんな応用問題も、かならずこのステップを詰めば解決します。逆をいうと、応用問題のパターンにも限界があるのです。なので、二次試験の点数を上げたければ一つ一つの二次試験の解法パターンを習得し、自分が向き合うであろう類題を素早く解けるように努力することが重要になります。
これから、あなたの合格を支える大事な科目になるであろう、物理の勉強法をまとめたいと思います。

レベル別勉強法

1. 基礎の固め方

 物理の基礎力は、① 自分が取り組んでいる現象を理解すること ② 公式の意味を理解すること ③ 公式を使いこなせるようになること の3つに分かれています。
 まず、自分が問題を通じて取り組んでいる現象を理解することが大切です。斜面上で静止している物体があったとします。この物体に実際かかっている力は、静止摩擦力、重力の2種類ですよね。さらに、斜面に鉛直な方向に物体が移動しないという前提に立つと、垂直抗力も働いていることになりますね。これを題意にそうように分解していくというのが、力学のアプローチですよね。

公式を適用する前に、与えられている問題条件で、物体にどのような力が働いているかをきっちり整理する力が大切なのです。このような取り組みが非常に有効なのが、電気分野と波動分野です。電気分野では、公式を覚えるだけでなく、実際にコンデンサーなどに電子を書き込んで、蓄電している様子をイメージすることが、電荷保存則などの定理や公式の理解と正しく使うことの前提条件なのです。
 現象をきちんと理解したあとは、公式をきちんと理解して覚えましょう。公式を覚えるにあたって重要なのは、公式を使える条件と、公式を構成している各記号の意味をしっかり理解することです。円電流が形成する磁場の大きさを示す公式を、直線電流が形成する磁場の大きさを計算するのに利用することはできません。それぞれの記号が意味する中身をしっかり理解する必要があります。各記号が、物理現象のどの部分を表しているかをしっかり理解し、覚えましょう。
 公式を使いこなすためには、① 公式を使って単純な問題を解く練習を積む ② シーンに合わせて適切な公式の選択ができることが大事です。すなわち、学校で渡されるような教科書や参考書をしっかりやりこむことが大事になるのです。そこで、この段階でオススメの参考書を紹介します。

最初にオススメする参考書は、「物理のエッセンス」です。各分野の基礎を理解した上で、簡単な練習問題を解きこむことができれば、基礎レベルは確実にマスターできるでしょう。少し問題数は少ないと感じるでしょうが、基礎固めには十分な教材だと考えています。もう一つオススメの教材が「導出物理」です。物理に必要な数学をマスターすることができるうえに、各分野の基礎や公式の背景を理解することができます。練習問題も十分準備されているので、一通りやれば基礎固めができるでしょう。このレベルで何も特別な問題集を使う必要性はありません。普段授業で使っている教科書の練習問題や章末問題をしっかり解けるようになるのも有効な手段です。
 どの参考書・問題集を使うにしても、重要なのは使い方です。その分野を説明しているパートを理解できたと思ったら、基本的な練習問題に取り組みましょう。余裕ができれば章末問題などに挑戦します。間違えた問題や行き詰った問題に関しては、解答を確認し、マークを付けます。二周目に取り組む場合、この間違った問題に重点的に取り組みましょう。このレベルでは、わからない問題に時間をかけてはいけません。大概の場合、基本事項に対する勘違いや
問題に解きなれていないケースが多いので、解けるまで考えるよりも、解答を確認することで、その分野に対する理解を確認し、解法パターンの蓄積を図るのが良いのです。

2. 日東駒専 産近甲龍レベルまでの勉強法とやるべき参考書・問題集

 二次試験の中では最も難易度が低いレベルの大学を攻略する物理勉強法を紹介します。

このレベルで重要なのは、①苦手な分野を作らない ②典型問題を確実に解答できるようになっていること ③ 正確に計算することです。

 このレベルの大学を狙うあなた、全くわからない分野がありませんか?これは、相当な不利につながります。まず、第一にやらなければならないことは、苦手な分野を「他人に訊くこと」です。自分でなんとかしようとしてはいけません。必ず、先生や先輩、友達を頼りましょう。ある程度解説を聞いた後で、苦手な分野を苦手なまま放っておかないためには、基礎固めで利用した参考書・問題集を徹底的に活用することが重要です。

実は、導出物理や物理のエッセンスをしっかり解くことができれば、日東駒専や産近甲龍レベルなら、正直不安はありません。

物理のエッセンス、導出物理などの基本的な問題集をかたよりなく解けるようになることが大事です。間違えた問題を重点的に見直し、何回も解きなおすようにしましょう。エッセンスや導入物理の章末問題を見たときに、どのような順序で解けばいいかを、素早くイメージできるようなレベルになれば、確実に合格点を確保することができるでしょう。
 次に、いろいろな典型問題をまんべんなく解けるようになることが大事です。エッセンスや導入物理だけだと少し演習不足です。同じ典型問題でも、いろいろな角度で問題を作ることができるものです。ただし、あらたな問題集を一から解き直すことはおすすめしません。模擬試験などをたくさん受けたり、予備校でレベルの合った講座を受けるなどして、適宜いろんなパターンの問題に接する努力を怠らないようにしましょう。
 同時に、正確に計算できることも大事です。文字式の計算でもたついたりしていませんか?きちんと計算を書くくせをつけて、例えば、等号をそろえるなど計算プロセスが一目でわかるような工夫をすれば、計算ミスは減るでしょう。この問題の解決には、練習を重ねるのが一番です。

3. march 関関同立 地方国公立大学レベルまでの勉強法とやるべき参考書

 march、関関同立、地方国公立大学レベルの物理の問題は、かならず少しひねりを含んでいます。

センター試験の物理というのは、「名門の風」や「重要問題集」で見たことのあるような問題を誘導付きで解くスタイルです。多少計算間違いをしても、マーク式なので、span class=”half yellow”>間違いに気が付くことができます。一方、march 関関同立 地方国公立大学レベルの問題というのは、「名門の風」や「重要問題集」の章末問題レベルの難易度の問題を、誘導なしで解かなければならないのです。そのレベルの問題を解ききるために要求されているのは、① 解法を着想する力 ② 正確な計算能力 の2点です。
 まず、解法全体をイメージすることが大切です。例えば、ある物体がほかの物体と空中で衝突した後、どのくらいの距離を経て落ちるか?という問題が出たとします。この場合、解く手順は、ぶつかる前の対象の高さ→ぶつかったあとの物体の鉛直方向速度 → 物体が落ちるまでにかかる時間 → ぶつかったあとの物体の水平方向速度 → 落ちるまでに進んだキョリという順番で解く流れになりますよね。この流れに従って、問題文の条件確認 → 運動量保存則 (跳ね返り係数)→ 等加速度運動の公式集を使うという流れを、誘導がなくてもスムーズに着想し、計算する必要性があるのです。ここで、もたついていると時間が足りなくなり、結局必要な得点が確保できないということになります。解法に対する着想をスムーズにするために必要なのは、問題演習です。確実にマスターしたほうがよいおすすめの問題集は、「良問の風」もしくは「重要問題集」です。もちろん、あなたが物理の基礎を理解しているということが前提です。これらの問題集の解答・解説は、正直かなり簡素です。一通り解き終わったら、間違えた箇所を解き直し、すこしずつわからないところが減っていくように演習を積み重ねていきましょう。

問題集を2周したあたりで、過去問に着手するのが効果的でしょう。

なにも、自分の志望校のみに標的をしぼって過去問演習をする必要はありません。同じ程度の難易度の大学の物理の問題であればなんでもかまいません。というのも、物理の二次試験は、このレベルだと大学ごとの特色があまり現れないからです。ただ、びくつくことはありません。このレベルの大学の問題は、解法を着想するのは難しくないことが多いです。前掲の問題集をみてある程度途中まで解法がイメージできるレベルなら合格点は確保できます。
 このレベルの大学で、明暗が分かれるのは、計算力です。センターレベルの問題に慣れている程度で、これらの大学の二次試験に接すると、よく学生さんは動揺していました。正確に使う公式をイメージし、問題にあわせて文字を入れていき、自分のほしい解答を手に入れるために変形していくだけです。なるべくきれいな字で式を書くこと、問題の余白に計算することになれることが大事です。加えて、問題数が多いので、ちょっとした計算のずれが、のちのち大きなダメージにつながることが少なくありません。計算中に違和感、例えばほしいはずの記号が途中で抜け落ちていたり、どう変形しても先方が求める形にならなさそうだとわかったら、素直に計算を見直してください。自分が着想した解法に問題はないが、計算でつまずく人が多いのが、このレベルの特徴だと思います。

4. 旧帝大、早慶レベルまでの勉強法とやるべき参考書

 旧帝大、早慶レベルで、物理は正直重要な得点源です。毎年、びっくりするような難問に「見える」問題は出ますが、実は問題文にしっかりと誘導が書かれていることが少なくなく、偏見なく向き合えば、確実に得点源とすることができる教科の一つです。このレベルの二次試験問題は2つの種類に分かれます。① 解法は簡単にわかる。しかし、計算量がえぐい。 ② そもそも、解法自体を想像することがやや難しい。
 ①のパターンに関して、よくあるのが、「エネルギー保存則から速度を計算すればいい」ということはすぐにわかるのですが、系の複雑さが増しているので、速度を示した際に生じる平方根の中身が恐ろしく複雑になるというようなケースです。しかも、この速度を後々の問題で使用することになるので、ここですこしでもずれているとあとあと正解がでなくて苦しむことになります。二次試験の冊子は小さいです。冊子上である程度目途がたったら、解答用紙に正解を書きながら計算するのがよいでしょう。Vなどの記号につく下付き文字を、計算している最中に書き損じたりすることがあるので、重点的に注意しましょう。
 ②の、「そもそも解法自体を想像することが難しい」という問題に関してです。この手の問題は、高校物理を使って身近な現象を解説しようとしていることが多いのです。なので、類似問題にあたったことがないため、解法が思いつかないというケースが多いのです。なので、大学側も小問を準備し、最後の解答まで誘導してくれていることが少なくありません。ぱっと見てわからないからと言ってすててしまうのではなく、素直に相手の言う通り小問を解いていき、解法が想像できなくなった段階で、捨てればよいと思います。ただ、この手の問題は、「近似」を使って最終的な結論にたどり着こうとすることが多いです。問題文に記載されている条件に注意しましょう。それが、案外突破のヒントになっていることが多いです。

近似が使えるように式変形してみたら、あっさりわかった、なんてことも多いです。

 これらの大学を受けるレベル感は、「重要問題集」や「名問の森」に載っている問題を見て、反射的に解法をイメージできるレベルです。問題の条件を読み終わったら、運動量保存則から速度を算出→運動エネルギー保存則にあてはめて移動距離を算出 → ・・・、という具合にだいたいの解法を諳んじることができるようなレベルが要求されます。問題のパターンを、ただ公式を選択する基礎レベルでとらえるのではなく、何個かの公式を組み合わせて求めたいパラメータを求めるというレベルでパターン化できていることが大事です。そのうえで、過去問を使って演習すれば怖いものなしでしょう。実戦模試も活用してください。実は、あれは一種の予想問題となっており、例年ちらほらとあたりがあります。積極的に取り組んで自分のものとしてください。

5. 東大・京大レベルの勉強法とやるべき参考書

 東大二次試験の物理は、実は簡単です。東大物理は、「受験生が考えた解法が理論的に正しいかどうか」がすべてです。問題の誘導も充実していますし、要求される計算量もそれほど多くありません。どちらかというと、一番最初に述べた基礎固めが付け焼刃になっていないかどうかの方が重要です。数学が色濃く絡んでくるのも特徴的です。確かに、物理の問題なのに、数列の漸化式を使って解答するのは、動揺するかもしれません。ですが、このように数学を応用する場合は、問題文に誘導があることが多いです。相手の誘導にのって素直に解けばよいだけです。同時に受けるであろう化学の方が、計算量が多かったり、問題文に記載されている情報量が多いので、物理でなるべく時間を短縮することが求められます。スマートに考え、スマートに解くことが要求されているのです。
東大対策に特化した問題集がおすすめです。Z会の東大コースの教材なんかもいいですし、実戦模試の過去問集をあたるのもいいでしょう。なるべく解説が詳しいものを選択してください。難しい問題集に挑戦するよりは、東大の傾向に合わせた対策を取るのがベターです。
おそらく、最も難しい物理の入試は、京大の物理であると思います。(たまに東工大もひどいですが。) 計算も骨太、着想も骨太という難物です。このレベルに対しては、素直に「難問題の系統とその解き方物理」を夏もしくは秋の間に攻略することをおすすめしています。それに加えて、実践模試の問題や過去問など、十二分に修行を積むことが大切になるでしょう。
これらの難関大学を受けるにあたって、おすすめの副読本があります。山本義隆著「物理学入門」です。この副読本のメリットは、いろいろな公式の導出方法が述べられている点です。これを学ぶことには、3つの利点があります。① 公式の理由がわかるので、覚える負担が減る。 ② 公式の導出過程を学べるので、公式が成立する前提条件を無理なく把握することができます。③ 公式の導出過程は、往々にして2次試験で応用することがある。の三点です。特に東大に関しては、③の破壊力が大きいです。例えば、抵抗付きの電線が並列にn本接続されていて、それが一定の速度で動いているとしましょう。例えば、小問①で、突然この電線がつくる磁場の大きさを尋ねられます。もし、直線電流が作る磁場の大きさを示す公式が、どのように算出されたかを知らなければこれを解くのは難しいでしょう。ひどいときは、小問①以降の問題が解けないなんてこともあります。しかし、公式の導出プロセスを知っていれば、これに対応することが可能になり、飛躍的に点数が安定するようになります。

6. 過去問を解くタイミングと過去問演習のやり方

 最後に、過去問に取り組むタイミングを志望校レベルごとにまとめました。

日東駒専 産近甲龍レベル

で過去問に取り組むタイミングは、基盤固め後すぐで構いません。エッセンスを解き直す傍ら、二次試験の練習を行ってください。

GMARCH 関関同立 地方国公立大学レベル

の場合は、重要問題集もしくは良問の風などスタンダードレベルの問題集を一周した後に取り組むのがベターです。重要問題集などの二周目に取り組む傍ら二次試験の問題にあたってみてください。何が求められているのかわかってくると思います。自分の志望校の過去問だけではなく、同じレベルの大学の過去問に取り組むのもおすすめです。

旧帝大・早慶レベル

も同様です。重要問題集や名問の森を一周したら、二次試験にチャレンジしてみてください。おおきなギャップを感じることでしょうが、同時に重要問題集に出てくる問題が、コンポーネントの一つになっていることを体得することができると思います。そうなったらしめたもので、重要問題集や名問の森の二周目をこなしながらすこしずつ、二次対策を行っていってください。
東大を目指す場合も、案外同様です。基盤を固めて重要問題集や名問の森を一周したら、二次対策に移ってください。まごまごしていたら確実に手遅れになります。
京大(東工大も?)の場合は、重要問題集などオーソドックスな問題集を終えたのち、「難問題の系統とその解き方物理」をおすすめします。重要問題集を二周する傍らこの問題集を一周し、それが終わった段階で過去問に挑戦すると楽に感じると思います。これらをこなして、夏のはじめに過去問に手をつけてみるというのが理想です。

大学レベル別の参考書

大学レベル別の参考書

物理の参考書の特徴は、純粋なインプット型がほとんど存在しないということです。あらためて、物理の参考書と問題集をレベル別、方向性を整理したいと思います。
 

基礎から日東駒専、産近甲龍などの中堅私大レベル

導出物理
導出物理
導出物理
導出物理

インプット 70% アウトプット 30%
 導出物理の特徴は、1. 物理の理解に必要不可欠な数学の知識を確認してくれること 2.公式の背景を丁寧に説明してくれること3. 基本を確認するのに適切な難易度の問題をそろえていることの3点でしょう。なので、適当に使えそうな公式を使って解いているだけで物理に自信がない人や、物理がそもそもさっぱりわからないような人、物理の初学者にオススメです。ただし、この参考書だけでは演習量が全くたりません。別に、アウトプット型の参考書に取り組むことをお勧めします。

物理のエッセンス 力学・波動
物理のエッセンス 熱・電磁気・原子
物理のエッセンス 力学・波動 (河合塾シリーズ)
物理のエッセンス 熱・電磁気・原子 (河合塾シリーズ)

インプット 60% アウトプット 40%
 物理のエッセンスの特徴は、1. それぞれの分野の背景をスマートに理解させてくれること(これ、実はほかの参考書では相当いい加減な部分なのです。) 2. 第一の特徴に基づく簡潔な公式の説明 3. 演習問題の解法を丁寧に説明してくれている。これらの特徴を踏まえると、初学者、手持ちの教科書の理解に苦しんでいる人、問題演習に苦手感を抱いている人におすすめです。これをしっかりこなせれば、センターの問題に抵抗なくとりくむことができると思います。「良問の風」や「名問の森」と同じ作者なので、物理のエッセンスを攻略した後は、そちらに移ることをおすすめします。

〜MARCH 関関同立 地方国公立レベル

良問の風 物理頻出・標準入試問題集 (河合塾シリーズ)
良問の風 物理頻出・標準入試問題集 (河合塾シリーズ)

インプット 20% アウトプット 80%
この問題集の特徴は、 MARCH,関関同立レベルの二次試験良問を取り揃えているということです。この問題集を解くことで、難問に対処することができるようにはなりません。しかし、問題の多くを占める標準的な問題は確実に解けるようになるでしょう。 センターレベルから二次レベルに脱皮するのに苦労している方にお勧めの問題集です。

中堅私大〜旧帝大、早慶レベルル

名問の森 物理 力学・熱・波動1 (河合塾シリーズ)
名問の森物理 波動2・電磁気・原子 (河合塾シリーズ)
名問の森 物理 力学・熱・波動1 (河合塾シリーズ)

インプット 20% アウトプット 80%
名問の森の特徴は、1. 二次試験に出てくる問題パターンを網羅していること 2. 豊富な問題数 3. 解説がかなり丁寧であること で、まさに旧帝大、早慶レベル攻略の最終兵器です。問題数は、すべてで136問。これをすべて自分のものにすることができれば、二次試験に不安を感じることはありませんでした。ちなみに、インプット20%としましたが、これは基礎事項ではなく、解法パターンです。基礎が固まっていない人は手を出してはいけません。

重要問題集
重要問題

インプット 5% アウトプット 95%
 重要問題集の特徴は、ただ一つ。圧倒的な問題演習量です。なので、授業で基礎事項を学ぶ傍ら(先生や友人の助けを借りながら)問題演習に取り組みたい人や、基礎事項は完全に抑えて、なんとなく二次試験の問題をとくことができる程度のレベルの方にお勧めです。とにかく、問題が詰め込まれている問題集で、正直解答解説は、初見で理解できないことが少なくありません。基礎に自信のある方にお勧めする参考書です。インプット5%と評価したのは、公式まとめ表の分です。試験前で緊張しているときに、ちらっと眺めて自分の努力を思い出すのによいでしょう。

〜東大、京大レベル

物理学入門
物理学入門

インプット 100%
 賛否の分かれる入門書です。ですが、そのクオリティーは最高レベルです。公式の導出理由と背景を完全に理解することができるとともに、物理の思想を理解することができるでしょう。このレベルを完全にマスターすれば、大学で1年ほど物理の勉強をしなくて済むといっても過言ではありません。特に、二次試験の背景を理解するのに最適の書で、東大・京大に挑む人が、得点を安定化させるためには有用でしょう。

難問題の系統とその解き方物理
難問題の系統とその解き方物理

アウトプット 100%
 おそらく、日本で最も難しい物理の問題集でしょう。二次試験でも選りすぐりの難問をあつめて、解法を解説しています。早慶・旧帝大を志望する人では、物理が大好きで、二次で満点をだしたいという人には向いていますが、正直必要ありません。物理で難問が大量に出る、京大・東工大の方にはオススメします。

センター試験対策と勉強法

 センター試験で高得点を取りたい人が心がけなければならないことは、① 苦手分野をつくらないこと ② センターのレベルになれること ③ センターの形式になれることの2点です。
センター試験で、苦手分野が一つでもあると、あなたがとれる最高点はどんなに高くても80点となってしまいます。この場合の苦手分野とは、「一つの大問のうち半分程度しかとれない分野」というイメージです。どの分野が苦手なのかを検出するために、高3になった直後に、もう一度自分の手持ちの問題集を解きなおしてみてください。全く、手がつかない部分や、解答を理解できない部分が苦手なポイントです。苦手な部分を見つけたら、自分でなんとかしようと思うのはやめましょう。素直に学校の物理の先生や、塾・予備校の先生、家庭教師に教えてもらいましょう。一通り学び終わったら、簡単な練習問題から初めて、すこしずつ難しい問題にチャレンジしてください。夏を迎える前には、むしろ苦手だった分野のほうが自信ある!!なんて状態になること請け合いです。
また、センター試験における物理は、難易度にばらつきがあることでも有名です。年度に応じて、ちょっとした二次試験レベルの問題を求められたり、基礎レベル程度の問題で済むこともあります。7割程度の得点を求めるならば、物理のエッセンスで十分対応できます。もちろん、すべての問題を完全にとける状態になっておくことが前提条件ですよ。9割以上の得点取りたいあなたは、エッセンスの続編である「良問の風」がおすすめです。この問題集の難易度は、マーチレベルですので、センターで難易度が高い問題が出ても落ち着いて対応することが可能です。センターの次に来る私大受験の嵐にも十二分に余力をもって対応することが可能です。
センター対策で最後に重要なのは、形式になれることです。センターの形式に合わせた物理の演習型の問題集は少ないです。なので、センター対策は過去問を通じて行うことになります。なので、問題数をこなすために、十数年分の過去問が詰め込んである河合塾の模試過去問集などが向いています。そのほかにも、センター模試を受けたり、センター模試の過去問を集めた問題集などに取り組むのもおすすめです。10月以降は、実際に時間をはかって実戦形式の練習を詰めば、センター本番でつまずくことはないでしょう。他にも、私が、受験生の時に確立したオリジナルの勉強法として間違いノートがあります。私の場合、7月以降に作製し始めたのですが、模試から帰ってきたその日に、間違えた問題をノート左側に書き写してしまいます。その上で、右側に解答・解説を書き写します。センターの過去問で間違えた問題も同様に処理していました。これをためて、模試や本番前に見直すと、「もう同じ間違いはしない。前回よりは点数があがる」という自信が付きました。なによりも、解き方で迷う時間が大幅に短縮することができるようになったり、苦手分野の問題に何回も向き合いなれることができたので、点数は各段にupしていきました。こういう努力もおすすめです。

センター対策 過去問と予想問題

短期攻略センター物理理
短期攻略センター物理理

アウトプット 100%
早くて2週間、通常1ヶ月くらで完成させましょう。
1回で終わらず完璧になるまで繰り返し解きましょう。

大学入試センター試験実戦問題集物理
大学入試センター試験実戦問題集物理

アウトプット 100%

センター試験過去問研究 物理
センター試験過去問研究 物理

アウトプット 100%

大学入試センター試験過去問題集物理
大学入試センター試験過去問題集物理

アウトプット 100%

センターの過去6年分と追試4年分 合計10年分

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