物理のエッセンスの使い方と勉強法

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1)独学可能度…★★☆☆☆

『物理のエッセンス』は河合出版から発売されている物理の参考書です。物理の参考書のなかでは絶大な人気を誇っており、多くの受験生がこの参考書を用いて第1志望校の合格を勝ち取っています。ただ、物理に関する知識がまったくゼロの状態から『物理のエッセンス』を使いこなすのは少々大変かもしれません。これは参考書が悪いわけではなく、物理という科目自体の特性と言うべきでしょう。物理はほかの教科と比べると覚えるべき知識の量そのものは決して多くありません。ですが、その一方で公式の意味や背景を理解することが求められます。教養があるなどしてすんなりと理解できる人は問題なくスムーズに『物理のエッセンス』を進めていけるでしょうが、少し読んでみても書いてある内容が頭に入ってこない場合には理解本と呼ばれるようなほかの参考書と併用するといいでしょう。

2)相性のいい参考書

・橋元の物理をはじめからていねいに
・良問の風
・名問の森

『橋元の物理をはじめからていねいに』は前述した理解本のひとつです。初心者には抽象的過ぎてなかなか理解できない難しい物理用語をかみ砕きながら解説してくれている参考書になります。身近な生活のなかに潜む物理事象と上手に結びつけながら説明してくれるのが特徴です。この参考書を適宜用いていけば理解が曖昧なまま進んでしまうことはきっと避けられます。

『良問の風』と『名問の森』は今回紹介している『物理のエッセンス』と同じ著者によって書かれている参考書です。この3冊の参考書はシリーズになっており、順番に使うことで難関大学の物理の問題にも対応できるようになっています。レベルで言うと『物理のエッセンス』が初心者向け、『良問の風』が中級者向け、『名問の森』が上級者向けです。もちろん、物理の参考書自体はほかにもたくさんありますから、そういったものを『物理のエッセンス』の後に使用する方法も考えられます。しかし、出版社や著者が異なる参考書を連続して使用すると取り扱うジャンルに過不足が生じやすくなり、その結果として効率が悪くなってしまうのも事実です。一方、『良問の風』と『名問の森』は同一の著者が連続して使用することを念頭に置いて構成しているため、テーマがかぶる心配はありません。故に、物理を勉強する時に「どの参考書を使えばいいの?」と迷った際にはこのシリーズを使っておけば問題ないでしょう。

3)特徴

『物理のエッセンス』は簡単な説明を読んだあとに問題を解くという流れになっています。そして、これをくり返すなかで少しずつ受験に必要な知識が身に付きます。さらに、演習問題の答えは別冊子にまとめられており、問題を解きながら答えを確認できる非常に使い勝手の良い作りです。また、収録されている問題の大半がオリジナルなのもの特徴です。一般的な物理の問題集はどこかの大学の過去問を使っていることが多く、その分だけ1問当たりのボリュームも大きくなりがちです。ほかにも、取り扱っている分野に偏りが生じやすいなど何かとデメリットがあるのも見逃せません。これとは対照的に『物理のエッセンス』では問題が適度にコンパクトにまとめられているのでサクサク進められます。

4)効率的な使い方と勉強方法

物理は大きく①力学・②波動・③電磁気・④熱・⑤原子の5つの分野で構成されます。基本的には前から順番に解いていけば良いのですが、自分の好みのあわせて取り掛かる分野をかえても問題ありません。例えば、波動が苦手ならまずは波の分野を潰してしまうのもありですし、志望校の物理で原子分野が出題されないのならそこを飛ばすのもありです。確かに、物理の問題は各分野単独で作られることはあまりなく、分野の垣根を超えて融合問題になることの方が圧倒的に多いです。しかし、この『物理のエッセンス』に関しては融合問題がほぼゼロなのでこのような融通の利いた使い方が可能となります。

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