2025 11/12
医学部  

2025年119回 医師国家試験合格率(2024年118回)私立医学部大学 医師国家試験合格率ランキング

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最新(第119回・2025年実施)の試験結果

2025年3月に発表された最新の試験結果の概要は以下の通りです。

1. 全体の合格率

全体の合格率は非常に高い水準で推移しています。

  • 全体の合格率: 92.3%
    • (受験者数: 10,282人 / 合格者数: 9,486人)

2. 新卒者と既卒者の合格率

合格率を「新卒者(その年に大学を卒業した受験生)」と「既卒者(前年以前に卒業した受験生)」で比較すると、大きな差があります。これは、大学の教育成果や、現役合格の重要性を示すデータとも言えます。

  • 新卒者の合格率: 95.0%
  • 既卒者の合格率: 59.0%

大学別のランキングで「新卒合格率」が重視されるのは、このためです。

3. 第119回医師国家試験の合格基準

医師国家試験の合格は、単に合計点が高ければ良いというわけではなく、以下の3つの基準をすべて満たす必要があります。

  1. 必修問題(絶対基準)
    • 医師として必ず知っておくべき基本的な知識・技能を問う問題です。
    • 基準:総得点が160点以上(200点満点中)であること。
    • これは**80%**の得点が必要な「絶対基準」であり、他の受験生の出来に関わらず、この基準を満たせないと(たとえ他の問題が満点でも)不合格となります。
  2. 一般問題・臨床実地問題(相対基準)
    • 必修問題を除いた、より専門的な知識や臨床能力を問う問題です。
    • 基準:総得点が221点以上(300点満点中)であること。
    • これは「相対基準」であり、その年の受験生全体の得点状況によって合格ライン(ボーダーライン)が変動します。(第119回は約73.7%でした)
  3. 禁忌肢問題
    • 「医師として絶対に選択してはいけない危険な選択肢(患者を死に至らしめたり、重大な危害を加えたりする選択肢)」のことです。
    • 基準:禁忌肢問題の選択数が3問以下であること。
    • 試験全体で、この禁忌肢を4問以上選んでしまうと、他の点数に関わらず不合格となります。

🩺 2024年(第118回)私立大学 医師国家試験合格率ランキング

医師国家試験の合格率は、その大学の教育の質や学生の学力を測る指標の一つです。

  • 新卒合格率:その大学の6年間の教育成果がストレートに反映されやすい指標です。
  • 総数合格率:既卒者(国試浪人)を含めた合格率です。新卒との差が小さいほど、留年や国試浪人が少なく、効率的に合格できている傾向を示します。

【新卒】合格率ランキング(全31校)

現役学生(その年に卒業した学生)の合格率順のランキングです。

順位 大学名 合格率 合格者数 受験者数
1 自治医科大学 99.3% 134 135
2 国際医療福祉大学 99.2% 131 132
3 兵庫医科大学 99.1% 109 110
4 慶應義塾大学 99.1% 107 108
5 東京慈恵会医科大学 99.0% 104 105
6 産業医科大学 99.0% 96 97
7 帝京大学 98.6% 138 140
8 東邦大学 98.2% 107 109
9 順天堂大学 97.8% 136 139
10 東北医科薬科大学 97.0% 96 99
11 杏林大学 96.9% 126 130
12 東京医科大学 96.2% 102 106
13 岩手医科大学 95.8% 115 120
14 埼玉医科大学 95.6% 130 136
15 愛知医科大学 95.5% 116 121
16 日本医科大学 95.2% 120 126
17 大阪医科薬科大学 94.6% 106 112
18 聖マリアンナ医科大学 94.4% 118 125
19 日本大学 93.7% 104 111
20 北里大学 93.0% 117 126
21 東京女子医科大学 92.8% 103 111
22 昭和大学 92.5% 99 107
23 東海大学 92.5% 99 107
24 近畿大学 91.5% 107 117
25 獨協医科大学 90.5% 114 126
26 藤田医科大学 89.9% 107 119
27 関西医科大学 89.7% 104 116
28 金沢医科大学 88.0% 103 117
29 川崎医科大学 87.5% 91 104
30 福岡大学 87.2% 96 110
31 久留米大学 86.6% 97 112

(出典:厚生労働省発表データ等を基に作成)


【総数(新卒+既卒)】合格率ランキング(全31校)

既卒者(国試浪人)を含めた全体の合格率順のランキングです。

順位 大学名 合格率 合格者数 受験者数
1 自治医科大学 99.3% 134 135
2 国際医療福祉大学 99.2% 131 132
3 兵庫医科大学 99.1% 110 111
4 産業医科大学 99.0% 100 101
5 順天堂大学 97.9% 139 142
6 東京慈恵会医科大学 96.5% 109 113
7 慶應義塾大学 95.7% 110 115
8 東京医科大学 95.4% 104 109
9 帝京大学 95.3% 143 150
10 東北医科薬科大学 95.0% 103 108
11 杏林大学 94.9% 129 136
12 埼玉医科大学 94.4% 135 143
13 東邦大学 94.2% 113 120
14 愛知医科大学 93.8% 118 126
15 大阪医科薬科大学 93.4% 116 124
16 日本医科大学 93.2% 121 130
17 日本大学 92.4% 109 118
18 東京女子医科大学 91.7% 110 120
19 岩手医科大学 91.7% 121 132
20 北里大学 90.5% 133 147
21 昭和大学 90.3% 102 113
22 聖マリアンナ医科大学 89.8% 121 134
23 獨協医科大学 89.5% 119 133
24 東海大学 89.2% 116 130
25 近畿大学 88.0% 123 140
26 関西医科大学 86.6% 112 129
27 藤田医科大学 86.4% 114 132
28 久留米大学 82.5% 104 126
29 金沢医科大学 82.1% 106 129
30 福岡大学 81.3% 105 129
31 川崎医科大学 78.8% 93 118

(出典:厚生労働省発表データ等を基に作成)

 

🏥 ランキング上位大学の特徴(ピックアップ)

合格率ランキング上位の大学には、それぞれ明確な教育方針と強みがあります。

1. 自治医科大学

  • 特徴: 地域医療・総合医の養成
  • 解説: 設立の目的が「へき地を含む地域医療の確保」であるため、学費が実質無料(卒業後、一定期間指定された地域で勤務することが条件)という特殊な大学です。全寮制による徹底した教育と、地域医療に貢献するという明確な目的意識を持つ学生が集まるため、非常に高い合格率を維持しています。

2. 国際医療福祉大学

  • 特徴: 国際基準の医学教育・英語での授業
  • 解説: 2017年に新設された医学部ですが、瞬く間にトップクラスの合格率となりました。授業の多くが英語で行われ、留学生の比率も高いのが特徴です。私立医学部の中では学費が最も安い(約1,850万円/6年間)こともあり、非常に優秀な学生が集まっています。

3. 慶應義塾大学

  • 特徴: 研究医の育成・強力なネットワーク
  • 解説: 私立医学部の最高峰の一つであり、「研究マインドを持った臨床医」の育成に力を入れています。基礎医学研究に早期から触れられるカリキュラムが組まれています。卒業生の**強力なネットワーク(三四会)**と関連病院の多さも大きな強みです。

4. 東京慈恵会医科大学

  • 特徴: 「病気を診ずして病人を診よ」の全人的医療
  • 解説: 創設者・高木兼寛の「病気を診ずして病人を診よ」という教えが今も根付いており、患者に寄り添う全人的医療の教育を重視しています。比較的自由な校風で知られ、学生の自主性を重んじた教育が行われています。

5. 順天堂大学

  • 特徴: 豊富な臨床実習・手厚い国試対策
  • 解説: 附属病院の数が多く、国内トップクラスの豊富な症例数を経験できる臨床実習が強みです。また、医学教育の質に定評があり、大学全体で医師国家試験の合格を強力にサポートする体制が整っています。

まとめ

医師国家試験の合格率は大学選びの重要な指標ですが、それだけで大学の良し悪しは決まりません。合格率が高い大学は、総じて**「学生の質が高い(入試難易度が高い)」「教育カリキュラムや国試対策が手厚い」「進級・卒業が厳格」**といった特徴を持っています。

ご自身の将来像(臨床医か研究医か、都市部か地域か)や、各大学の校風、教育方針、学費、立地などを総合的に考慮して、志望校を検討することをおすすめします。

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