生物の勉強法

1全体的な勉強法
 単元ごと
2大学レベル別勉強法
 2−1基礎固め
 2−2日東駒専、産近甲龍レベル勉強法
 2−3GMARCH 関関同立 地方国公立レベル勉強法
 2−4旧帝大 早慶レベル勉強法
 2−5東大 京大レベル勉強法(オプション)なければ必要なし
3センター対策 勉強法

4レベル別参考書(参考書の解説は必要ありません。)
 4−1基礎固め
 4−2日東駒専、産近甲龍レベル
    合格率50%以上狙い
    合格率80%以上狙い(念押し)
 4−3 センター対策 参考書 過去問と予想問題
 4−4GMARCH 関関同立 地方国公立レベル
    合格率50%以上狙い
    合格率80%以上狙い(念押し)
 4−5東大 京大レベル勉強法(オプション)

今回は生物の勉強法について記事を書いていきます。生物はセンターでも二次試験でも使われることがあり、早めに勉強しておきたいですね。
生物をどうやって勉強していったらいいか、どんな参考書を使えばいいのか、という疑問に対してきっちりと説明していきますので最後まで読んでいただけたら嬉しいです。

1、全体的な勉強法

まず始めに全体的な生物の勉強法について紹介していきます。生物をより細かく単元別に見ていくと、6種類がありますね。
①生命現象と物質
②遺伝子の働き
③生殖と発生
④生物の環境応答
⑤生態と環境
⑥生物の進化と系統

①生命現象と物質

この単元では生物の基本中の基本と言える細胞の構成と細胞小器官、たんぱく質、情報伝達、ホルモン応答について学んでいきます。
この範囲で躓くと、その先のより発展的な分野でも後れを取ることになるのでじっくりしっかりと勉強しましょう。
細胞はどんな働きがあるのか、何から合成されるのか、中には何があるのか、他の細胞とのかかわり方などについて学習していきますが、暗記することが多くなります。
しかし、ただただ暗記するのではなく、分野の流れを考えながら順を追って暗記するようにしましょう。自分の体内で起きている現象を主に勉強することになるため、興味を持ちやすいと思います。
また、呼吸によるエネルギー産出についてもこの範囲で勉強し、クエン酸回路や解糖系が出てきます。本番では計算問題が出ることがあることから、計算練習も十分にしておきましょう。

②遺伝子の働き

ここでは細胞の中に含まれるDNAやRNA、染色体について学習します。DNAがどのように複製されるか、DNAが壊れたときにはどうやって修復されるか、転写や複製はどのようにして始まり終わるかなどがあります。
問題形式としては、記述問題が多くなり、1個1個の流れや理由について勉強しておく必要があります。ここでも覚えることが多くなりますが、全体の流れをいしきし覚えましょう。
また、DNA、RNAを細かく見た塩基対についても学習し、なぜ遺伝子変異が起きるか、塩基対の解析方法について記述問題が出されやすいです。

③生殖と発生

この単元は生物が生殖活動によって個体数を増やし、発生の過程を経て一個体となるまでの流れを勉強していきます。生殖の際には有性生殖と無性生殖の2種類があり、どの動物がどの生殖機構かを区別しておく必要があります。
また、有性生殖の場合には精子や卵子などの働き方や、仕組みを理解し、細胞分裂の過程を覚えておきましょう。
また、遺伝子に関する知識もこの分野で習うことから、染色体がどのように配分されるかなどを勉強しましょう。

④生物の環境応答

この単元では外的刺激を受けたときの興奮が伝わる仕組み、聴覚、触覚、視覚などの知覚器官から得た刺激がどのように脳に伝わり、処理されるか、中枢神経のニューロンの働きなどについて学びます。
興奮電位の発生から伝達、終息までの流れの記述や、順番の並び替え問題が多く出題されます。ニューロン間でも刺激がどのように伝達されるかについても記述問題が出されやすいです。
また、人間以外の動物についても学習し、植物のホルモン応答や、昆虫の行動様式と環境の関係についても学習します。
長い文章の実験操作を読んだ後、得られた結果から何がいえるかを記述する問題も出されます。

⑤生態と環境

ここでは生態系と環境の関係について学習します。
ある生物の個体群密度が変化していく仕組みやその理由、生存曲線の違い、生態系の物質収支などを学習します。
勉強の方法としては、理由に着目しながら一つ一つを学びます。理由が分かれば、その結果もすぐに暗記できるようになります。

⑥生物の進化と系統

生物の進化の順番や、系統樹、陸、海での繁栄の違いなどを学習します。また、原生生物や菌類の所属についても勉強します。
進化の流れは、すでに地球の歴史で完了していることなので、理由なしに覚えるしかありません。暗記が多くなるため、どうしても苦手な分野になるかもしれませんが、根気強く暗記をしていきましょう。また、ダーウィンなどの有名な学者が、なぜ進化論を唱えたのか、どうしてその進化であると決定したのかを本を読んで学ぶことも効果的です。教科書や問題集だけを勉強するのではなく、一見関係のない本を読んでみると生物をより深い視点から見ることができ理解がしやすくなるはずです。

2大学レベル別勉強法

2−1基礎固め

基礎固めに必要なことは主に2つあります。
・最低限の知識を覚えること
・苦手意識を作らないこと

生物の問題を解くためには最低限の言葉は暗記しなくてはなりません。言葉を覚えていないのにもかかわらず、生物の実験の問題や記述問題を解こうと思っても絶対にできません。
細胞の中にある細胞小器官の名前、DNA、RNAを構成する塩基対の名前など、これらは理屈よりも覚えるしかありません。
暗記はしたくないという人も最低限の知識は暗記しましょう。
また、苦手意識は持たない方がいいです。苦手意識があると、勉強する気にならなかったり、得点が伸びにくくなったりします。基礎固めの際には問題が思うように解けないことから苦手意識を持ちやすくなりますが、最初なんだし分からなくて当然だ、と開き直って勉強するようにしましょう。
基礎をしっかり固めておけば、後々の勉強が楽になっていきます。

2−2日東駒専、産近甲龍レベル勉強法

日東駒專、産近甲龍レベルの大学は一般的に50から55とされており、普通よりはできるがめちゃめちゃできるわけではない、という学生が受験します。そのことから、基本的なレベルの問題を確実に抑えていけば合格することができます。
そして、正答率が50%~60%の問題を何問か正解することができれば平均よりは上に行くので、合格までの道のりをイメージしましょう。
具体的には、標準レベルの記述問題を解けるようにし、基礎的な問題は全問正解することが必要です。
細胞器官の名称やDNAを構成する塩基対の名前をしっかり覚えておき、受精の流れや解糖系の役割の記述は自分の言葉で書いて正解にたどり着けるようにしましょう。

2−3GMARCH 関関同立 地方国公立レベル勉強法

GMARCHや関関同立、地方国公立は偏差値60前後の学生が受験してきます。そのことから、ある程度の問題に解答することができ発展問題以外は全問正解することが必要になります。
発展問題以外とは、正答率が20%を切る問題以外ということで、少し難しい問題でも解ききらなければなりません。
入試には必ずと言っていいほど差が付く問題が出てきます。ちゃんと勉強している人にとってみれば少し頭を使えば正解できますが、勉強してない人からすると何を答えればいいか全くわからない、このような問題にきちんと正解することが偏差値60付近の大学に合格するコツです。
生物の問題集を使い難しめの記述問題を練習しておきましょう。

2−4旧帝大 早慶レベル勉強法

旧帝大、早慶レベルの学生になると、今までの大学の受験生徒とは質が変わってきます。また、現役生だけでなく浪人生も増えてくることから競争が激しく練りより高度な知識や論述力が求められます。
また、それに応じて出題される問題の内容もより難しくなります。
知識を問うだけの単純な問題は減り、その一方で知識を繋ぎ合わせて論述をする問題になります。さらに、記述するべき文字数も多くなり、100文字、200文字と増えていきます。
具体的には、「この細胞内小器官の名称は何か?」という問題から、「この細胞内小器官についての実験を行った。表のような結果を得た。この細胞内小器官の働きと絡めながら結果のようになった理由を200字で答えよ」という形になります。
これは細胞内小器官の名前だけ知っていては当然解けませんし、働きを暗記していても解けません。全てを分かったうえで考察をするという、問題形式の中で最も難しい問題になります。
このような問題のための対策としては、論述問題用のノートを1冊作ることです。
今までの模試や、問題集で解いた論述問題をノートに書きためておき、頻繁に見返すことで、知識の定着と論述形式の問題に慣れていきます。
また、自分で疑問に思ったこともこのノートに書き留め、その理由を自分なりに考えてみるのもいい方法です。考えた結果は、先生や塾の先生に見てもらい、自分の考え方や知識が間違っていないかをチェックしてもらいましょう。

3センター対策 勉強法

センターの生物は以下の様な出題形式になっています。

大問1:①生命現象と物質
大問2:②生殖と発生
大問3:③生物の環境応答
大問4:④生態と環境
大問5:⑤生物の進化と系統
大問6、7:①から⑤の範囲からランダムに出題され、6か7の一方を選択

センター生物の問題の特徴としては、問題ごとに実験や観察を行ったリード文が書かれています。そして、その実験に出てくるキーワードに関連した問題が出されます。問題の形式としては、穴埋め問題や考察文の正誤問題、図や表を読み取る問題などが出題されます。
また、単純に知識だけを問う問題は少なくなり、暗記だけでは太刀打ちできません。

センターの勉強法の最初は基本的な知識が頭に入っているかを確認することから始めましょう。いきなり、センター過去問を解きたくなる気持ちもわかりますが、いったん自分の立ち位置を確認しておくことも必要です。

確認方法としては、模試や学校のテストで何点取れるかが最も分かりやすいです。
結果を見て平均よりも高い点数を取れているのであれば、基礎力はあるということになりますし、逆に平均を下回ってしまった場合には基礎が固まっていないということなので、易しい問題からスタートすることになります。

また、センター対策だけをやればいいかとなるとそうではありません。センター対策はもちろん必要ですが、センターに特化してしまうとマーク形式問題ばかりを解くことになり、国立二次試験や私大の記述形式に対応できなくなります。そのことから、センター対策として絞り過ぎるのではなく、その先の記述形式問題まで見据えた勉強をするべきです。

基本的な学習スタイルとしては、自分のレベルにあった問題集を進めていくことです。問題集を解き進め、足りていない知識を補い、論述問題に慣れていきましょう。
また、問題集を解いていてわからない問題があった時には、もう一度その範囲を参考書で復習しましょう。復習はめんどくさい作業のように思えますが、自分の弱点が分かるチャンスなので、積極的に復習しましょう。参考書を読み終えて、理解したつもりになることがあるので、白紙に理解した内容を書き記し、きちんと何を間違えて、何を学んだかが分かるように整理しておくと、後々になって役に立ちます。

4レベル別参考書

4−1基礎固め

模試で偏差値が50を下回ってしまった人や今から生物を学習し始める人はここから基礎を固めましょう。

お勧めの参考書は下の2冊になります。
・大学入試完全網羅 日本一詳しい生物基礎・生物の解き方、中経出版
・食べの生物基礎をはじめからていねいに、東進ブックス

これらの参考書は非常に分かりやすく書かれていて、さらに取り組みやすい構成になっています。どうしても教科書や難しい参考書の口調は硬くなりがちで、読んでいても飽きてしまったり、なかなか内容が理解しにくかったりと初心者には扱いにくいです。
基礎を固める際には、問題をいきなり解くのではなく、問題について調べることをお勧めします。その問題に出てきている単語や、器官の名前を確認しましょう。確認作業中に知らない部分があれば、それも頭に入れましょう。問題を解いたらすぐに解説を読み、解説に出てきた単語などを調べておきましょう。
この作業は、参考書や問題集が進まないことから苦痛になるかもしれませんが、続けることで、だんだんと見たことのある単語が増え、確認作業がスムーズになっていきます。
この感覚をつかめれば、基礎が完成してきたと言っていいでしょう。

4−2日東駒専、産近甲龍レベル

    合格率50%以上狙い
    合格率80%以上狙い(念押し)
このレベルの大学へ合格するには少なくとも基礎的な問題ができる必要があります。
基礎から標準問題が掲載されている問題集を解き、生物のレベルの向上を図りましょう。
お勧めの参考書は下の3冊です。

・生物の点が面白いほどとれる本
・これでわかる基礎生物
・一問一答 文系のための生物基礎ターゲット

これらの問題は生物の要点に特化して問題が用意されており、基礎からの積み上げをするためにちょうど良い問題集になっています。これらの問題を解くときには、できるだけ参考書に頼らずに今までの知識を活用するように意識しましょう。
また、答え合わせの際には、解説をよく読み、分からない点は復習しましょう。
基礎固めのように、確認作業をする必要はありませんが、どうしてもわからない部分に関しては確認するのもいいかもしれません。
理系の人で基礎レベルから生物の勉強を始める人も、3冊目の「一問一答 文系のための生物基礎ターゲット」は使いやすいです。一問一答形式なので効率的に単語や基本的な知識を学習できます。

4−3 センター対策 参考書 過去問と予想問題

センターを勉強するときにお勧めの問題集は下の5冊になります。

・センターはこれだけ!生物基礎、文英堂
・短期攻略 センター生物、駿台文庫
・センター実践問題集、駿台文庫
・センター試験本番レベル模試 生物、東進
・マーク式総合問題集 生物、河合出版

これらの問題集は、センター試験の分野ごとに勉強できるタイプと、センター試験本番のように60分で解ききるタイプの2種類があります。
分野別の問題集は、自分のニガテな範囲を重点的に勉強できることから、効率良く生物の点数を上げることができます。生物は単元ごとの繋がりがあまりないことから、一分野ごとにで勉強しても十分効果が期待できるので、この問題集はお勧めできます。

また、センター試験形式の問題集は時間を計りながら、限られた時間内に知識を引き出して正しい答えが出せるかをトレーニングします。この問題集を使うのは、ある程度苦手分野が克服でき始めたころに解くのがよいです。
ある分野すべてが苦手にもかかわらず、このタイプの問題集をやっても点数の底上げにはつながりません。

4−4GMARCH 関関同立 地方国公立レベル

    合格率50%以上狙い
    合格率80%以上狙い(念押し)

これらの大学に合格するためには、基礎を完璧にし、演習問題を解くことが最も効果的です。演習問題をまとめているお勧めの問題集は下の4冊になります。

・生物重要問題集、数研出版
・理系標準問題集、駿台文庫
・生物の良問 問題集、旺文社
・大森徹の最強問題集

これらの問題集は基礎的な問題から標準、発展までを網羅しており、自分のレベルを段階的に上げやすい構成になっています。
勉強方法としては、1周目は標準問題だけを解き、2週目では標準問題の中で間違えた問題と、発展問題を解く、という風にレベルごとに分けながら解き進めるとよいです。

この問題集が一通り終われば、いよいよ志望校の赤本にチャレンジしてください。
赤本で解けない問題があった場合にも、自分が持っている問題集で類題を探し、解くようにしておきましょう。問題集をもう一度解いた時に、赤本で出てきたもんだであることを確認できますし、志望校の傾向を把握することができます。

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