九州大学 2025年 入試科目、倍率、傾向と対策
2025年度入試 学部別 偏差値(目安)
ここで示す偏差値は、河合塾による2025年度入試予想の「ボーダーライン偏差値(二次試験の難易度)」です。
| 学部 | 学科・専攻 | 偏差値 (目安) |
| 共創学部 | 共創学科 | 60.0 |
| 文学部 | 人文学科 | 57.5 |
| 教育学部 | 57.5 | |
| 法学部 | 60.0 | |
| 経済学部 | 経済・経営 | 57.5 |
| 経済工 | 55.0 | |
| 理学部 | 物理学科 | 57.5 |
| 化学科 | 57.5 | |
| 地球惑星科学科 | 55.0 | |
| 数学科 | 57.5 | |
| 生物学科 | 57.5 | |
| 医学部 | 医学科 | 67.5 |
| 生命科学科 | 55.0 | |
| 保健学科 (看護学) | 55.0 | |
| 保健学科 (放射線) | 57.5 | |
| 保健学科 (検査技術) | 57.5 | |
| 歯学部 | 歯学科 | 57.5 |
| 薬学部 | 創薬科学科 | 60.0 |
| 臨床薬学科 | 57.5 | |
| 工学部 | Ⅰ群~Ⅵ群 | 55.0 – 57.5 |
| 芸術工学部 | 環境設計 | 55.0 |
| インダストリアルデザイン | 57.5 | |
| 未来構想デザイン | 55.0 | |
| メディアデザイン | 57.5 | |
| 音響設計 | 60.0 | |
| 農学部 | 55.0 |
(出典:河合塾 Kei-Net 2025年度入試予想ボーダーライン)
📅 2024年度(前期日程)の志願倍率
2024年度(令和6年度)一般選抜(前期日程)の志願倍率(志願者数 ÷ 募集人員)の目安です。
【注意】
これは最終的な「実質倍率(受験者数 ÷ 合格者数)」とは異なります。あくまで人気度の目安としてご覧ください。
| 学部 | 学科・群 | 2024年度 志願倍率 (目安) |
| 共創学部 | 約 3.0倍 | |
| 文学部 | 約 2.7倍 | |
| 教育学部 | 約 3.1倍 | |
| 法学部 | 約 2.6倍 | |
| 経済学部 | 経済・経営 | 約 2.6倍 |
| 経済工 | 約 2.9倍 | |
| 理学部 | 物理学科 | 約 2.2倍 |
| 化学科 | 約 2.7倍 | |
| 地球惑星科学科 | 約 2.5倍 | |
| 数学科 | 約 2.7倍 | |
| 生物学科 | 約 2.5倍 | |
| 医学部 | 医学科 | 約 4.4倍 |
| 生命科学科 | 約 3.0倍 | |
| 保健学科 (看護学) | 約 2.2倍 | |
| 保健学科 (放射線) | 約 3.2倍 | |
| 保健学科 (検査技術) | 約 3.4倍 | |
| 歯学部 | 約 2.5倍 | |
| 薬学部 | 創薬科学科 | 約 2.9倍 |
| 臨床薬学科 | 約 3.2倍 | |
| 工学部 | Ⅰ群 | 約 1.9倍 |
| Ⅱ群 | 約 1.6倍 | |
| Ⅲ群 | 約 2.6倍 | |
| Ⅳ群 | 約 1.9倍 | |
| Ⅴ群 | 約 2.5倍 | |
| Ⅵ群 | 約 2.4倍 | |
| 芸術工学部 | 環境設計 | 約 2.7倍 |
| インダストリアルデザイン | 約 1.8倍 | |
| 未来構想デザイン | 約 3.1倍 | |
| メディアデザイン | 約 2.1倍 | |
| 音響設計 | 約 3.5倍 | |
| 農学部 | 約 2.5倍 |
(出典:河合塾 Kei-Net 2024年度入試結果データに基づく)
学部ごとの偏差値や倍率はあくまで一つの指標です。九州大学は二次試験の配点が高い学部も多いため、偏差値がボーダーライン上でも、二次試験の記述対策をしっかり行うことで逆転合格の可能性は十分にあります。
1. 文系学部(文学部・教育学部・法学部)
これら3学部は、入試科目がほぼ共通しています。
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共通テスト(6教科8科目)
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国語: 必須
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地歴・公民: 2科目 選択
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数学: 数IA、数IIBC(2科目)
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理科: 「基礎2科目」または「専門1科目」
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外国語: 英語
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情報: 情報I
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二次試験(4教科)
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国語:(現代文・古文・漢文)
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地歴:(世界史, 日本史, 地理から1科目選択)
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数学:(文系数学: 数I・II・A・B・C)
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外国語: 英語
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2. 理系学部(理学部・工学部・農学部・薬学部・歯学部・医学部[生命科学・保健])
これらの理系学部(医学部医学科を除く)は、共通テストと二次試験の「型」が共通しています。
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共通テスト(6教科8科目)
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国語: 必須
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地歴・公民: 1科目 選択
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数学: 数IA、数IIBC(2科目)
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理科: 2科目 選択(物理, 化学, 生物など)
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外国語: 英語
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情報: 情報I
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二次試験(4教科)
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国語:(理系国語: 現代文・古文)
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数学:(理系数学: 数I・II・III・A・B・C)
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理科: 2科目 選択
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外国語: 英語
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※理科の注意点
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工学部: 「物理」と「化学」が必須です。
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薬学部: 「化学」が必須です。(もう1科目は物理または生物)
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理学部(化学科): 「化学」が必須です。
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他学部も学科により推奨科目があるため、要項の確認が必要です。
3. 特殊・専門学部(経済・医学科・共創・芸術工)
これらの学部は、上記のグループとは異なる特殊な科目設定を持っています。
経済学部
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共通テストは「文系グループ」と同じです。
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二次試験が特殊で、以下の2タイプ(学科)で異なります。
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経済・経営学科(3教科):
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国語、数学(文系数学)、英語
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(※文系学部ですが、二次試験で地歴がありません)
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経済工学科(3教科):
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国語、数学(理系数学)、英語
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(※理系数学で受験する、特殊な文系学科です)
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医学部(医学科)
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共通テストは「理系グループ」と同じです。
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二次試験(4教科 + 面接)
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国語、数学(理系)、理科(2科目)、英語
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面接(必須)
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共創学部
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共通テストは「文系グループ」と同じです。
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二次試験(2教科)
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外国語: 英語
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小論文:(日本語と英語の課題文を読み、数学的な思考も用いて解答する総合的な試験です)
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芸術工学部
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共通テストは「理系グループ」と同じです。
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二次試験は、学科(コース)によって全く異なります。
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例1)音響設計: 数学(理系)、理科(物理)、英語
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例2)未来構想デザイン: 小論文、英語
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例3)インダストリアルデザイン: 実技(デッサン)、英語
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【結論】 芸術工学部は、希望する学科(コース)によって二次試験対策が大きく変わるため、必ず大学の「入学者選抜要項」でご自身の希望する学科の科目を確認してください。
九州大学(九大)の二次試験(個別学力検査)について、主要科目ごとの傾向と対策を詳しく解説します。
九大の二次試験は、全体として**「標準的な良問が多いが、試験時間に対して問題量(特に計算量や記述量)が多い」**のが最大の特徴です。東大・京大のような突出した難問・奇問は少ないため、基礎・標準レベルの知識をいかに速く、正確に処理できるかが合否の分かれ目となります。
九州大学 科目別 傾向と対策
✍️ 英語(文理共通)
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試験時間: 120分 (医学部医学科・歯学部は130分)
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構成: 大問5題(長文読解3題、和文英訳1題、自由英作文1題)が基本。
傾向
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長文読解 (3題):
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医療、科学、社会問題など、硬めのトピックが多いですが、語彙レベルは標準的です。
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設問形式は、内容説明(記述)、空所補充、同意表現、要約など多様です。
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圧倒的に量が多く、時間との勝負になります。
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和文英訳 (1題):
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標準的なレベルの日本語の文章を英訳します。文脈を理解し、自然な英語に組み替える能力が問われます。
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自由英作文 (1題):
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九大英語の大きな特徴の一つです。グラフ、イラスト、4コマ漫画、写真などの視覚情報を見て、その内容を説明したり、自分の意見を述べたりする形式が頻出です。
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(例:「このグラフから読み取れることを説明し、その原因について意見を述べよ」「4コマ漫画のオチを説明せよ」)
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対策
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速読・多読の徹底: 時間内に全問を解き切るため、日頃から英文を読む絶対量を増やし、シャドーイングや音読で英文処理速度を上げることが必須です。
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精読(内容説明対策): 速読と同時に、設問で問われた箇所は「なぜそうなるのか」を構文(SVOC)レベルで正確に把握し、日本語でまとめる(記述する)訓練が必要です。
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英作文の添削: 和文英訳・自由英作文ともに、学校や塾の先生による添削指導は必須です。特に自由英作文は、過去問で九大特有の「視覚情報の説明」形式に慣れ、論理的な構成で書く練習を積んでください。
🧮 数学(理系)
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試験時間: 150分
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構成: 大問5題
傾向
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最重要分野は「微分・積分(数III)」です。毎年、非常に計算量が多い微積分の問題(求積、極限、方程式の実数解など)が出題されます。
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次いで「確率」「複素数平面」「ベクトル(空間)」も頻出分野です。
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難易度は「標準〜やや難」レベルです。解法自体は典型的(網羅系参考書の例題レベル)なことが多いですが、計算が複雑で、最後までミスなく解き切るのが難しいのが特徴です。
対策
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圧倒的な計算力の養成: 合格の鍵は**「数IIIの計算」**です。毎日必ず微積分の計算練習を行い、複雑な計算でも「速く、正確に」処理できる力を養ってください。
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標準問題の網羅: 網羅系参考書(青チャート、Focus Goldなど)の例題・練習問題を「完璧に」(=自力で解答を再現できる)解けるようにすることが最優先です。
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時間配分と過去問演習: 九大の理系数学は「時間内に5題を解き切る」のが非常に困難です。過去問演習を通じて、解ける問題を見極め、計算ミスを減らし、時間内に答案をまとめる訓練を徹底してください。
🔢 数学(文系)
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試験時間: 120分
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構成: 大問4題
傾向
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「微分・積分(数II)」「確率」「ベクトル」「数列」が頻出です。
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理系数学と同様、標準的な難易度ですが、文系にとってはやや計算量が多い、あるいは思考力を要する問題が含まれます。
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図形と方程式や、証明問題も出題されます。
対策
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教科書・網羅系参考書の徹底: まずは教科書レベルの定義・定理を完璧に理解し、網羅系参考書(青チャートなど)の標準問題を確実に解けるようにします。
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記述力の養成: 文系数学でも、採点者に「なぜその式変形をしたか」が伝わる、論理的で丁寧な答案を作成する練習が重要です。
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計算練習: 積分計算や確率の計算など、文系数学でも計算力を疎かにせず、正確に解き切る力を養いましょう。
国語(文系)
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試験時間: 120分
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構成: 大問4題(現代文2題、古文1題、漢文1題)
傾向
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現代文 (2題): 九大国語の最大の特徴は、「評論」と「小説(または随筆)」が1題ずつ出題される点です。設問は記述式が中心で、「〜字以内で説明せよ」といった字数制限のある問題が多いです。
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古文 (1題): 標準的な難易度です。文法・単語の基礎知識を問う問題と、現代語訳、内容説明が中心です。
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漢文 (1題): 基礎的な句形・重要語の知識があれば解ける標準的な問題が多く、得点源にしやすい分野です。
対策
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現代文の記述対策: 記述問題は独学での対策が困難です。過去問や問題集で「解答の根拠を本文から探し、設問の要求に合わせて再構成する」訓練を積み、添削指導を受けてください。
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小説問題への対応: 評論だけでなく「小説」の読解(登場人物の心情把握など)にも慣れておく必要があります。
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古文・漢文の基礎固め: 古文(単語、文法)、漢文(句形、重要語)の基礎知識を夏休み明けまでに完璧に固めることが重要です。基礎が固まれば、九大レベルの問題は安定した得点源になります。
🔬 理科(物理・化学)
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試験時間: 2科目で150分 (実質1科目あたり75分)
物理
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傾向: 大問3題(力学、電磁気はほぼ必須。残りは熱力学 or 波動)。
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標準的な問題設定が多いですが、問題数・計算量が多いため、75分という時間は非常にタイトです。
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グラフ選択・描画や、物理現象の理由を問う簡単な論述問題も出題されます。
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対策: 標準的な問題集(「良問の風」など)を、「速く」「正確に」解けるようになるまで繰り返し演習します。過去問演習で時間配分(解ける問題から手際よく処理する)の訓練を徹底してください。
化学
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傾向: 大問4〜5題程度。理論、無機、有機の全分野からバランス良く出題されます。
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物理と同様、計算量が多いのが特徴です。特に理論化学(気体、平衡など)の計算は複雑になりがちです。
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有機化学の構造決定、高分子も頻出です。無機化学の細かい知識(沈殿の色など)も問われます。
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対策: まずは教科書・資料集レベルの知識(特に無機化学)の穴をなくします。理論化学は計算練習を、有機化学は構造決定の典型パターンを数多くこなし、処理速度を上げることが重要です。
💡 まとめ
九大入試は、**「標準問題を、いかにミスなく、速く解き切るか」**の勝負です。 難しい問題集に手を出すよりも、教科書レベルの基礎を完璧に理解し、標準的な問題集(網羅系参考書や、学校で配布される標準レベルの問題集)を徹底的に繰り返すことが、合格への一番の近道となります。
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