東大法学部卒に聞いてみた。東大に合格するための勉強法
東大法学部卒に聞いてみた。東大に合格するための勉強法
東京大学といえば、政財界に多数の人材を輩出し、学術的にも多くの功績を残している、言わずと知れた日本最高レベルの大学です。昨今ではTV番組で東大生が芸能人のごとく活躍するなど、東大生を目にする機会が増える一方で、未だに自分とは縁遠い存在と感じる人も多いのではないでしょうか。しかし、彼らの大学受験の勉強方法を聞いていると、一部変わった勉強方法がある一方で、その大半は一見して他の人達と変わらないようなものです。今回は、どこで東大生と差が付いているのかに注目しながら、東大に合格するための勉強法と勉強時間についてお話したいと思います。
東京大学受験の特徴
私は、東大受験の最大の特徴はその科目数にあると思います。東大では、センター試験段階で5〜6教科(国語・数学・外国語・理科・地歴・公民)から8科目、二次試験段階でも4教科全ての筆記試験が課されますが、これは他の有名私立大学等と比べて大変多い科目数となっています。科目数が多いとなると、通常の私大受験者と比べて勉強しなければならないことが多いということになります。特に、私大ではマーク中心の試験も多い中、東大の二次試験は基本的に筆記が求められるため、記述対策にも時間が取られることを考えれば、やらなければならないことが多いのはなおのことでしょう。
やることが多いという問題に対して、東大合格者のアプローチの方法は大別して2つあります。至極単純なことですが、①他の人よりも長く勉強する、②他の人と同じ時間だとしても効率的に時間を使うというものです。①は言わずもがなですが、長く勉強すれば、それだけ他の人よりも多くのことを学ぶことができるというわけです。よくメディアなどで一日15時間以上勉強していたなどと言われる東大生なんかはこのタイプということになります。
対して、意外と知られていないのが、②のタイプです。他の人と同じ時間しか勉強していなくても、彼らの勉強方法は実に効率的で、他の人に比べて広い範囲を学習してしまうことができるというわけです。具体的にどのような方法で勉強を効率化しているのか詳しく述べていきましょう。
点数戦略の徹底
まず、点数戦略の徹底です。多くの入学試験では複数の教科の合計点が何点以上あれば合格するというものになっています。つまり、英数国社それぞれ100点ずつの試験だとして、全科目70点ずつ取って合計280点取ろうが、英国を満点とって、苦手な数学で20点、社会は平均の60点で計280点取ろうが同じ評価をされることになります。また、国語の試験がなかなか満点の取れない試験ならば、英100、国80、数40、社60などの配分もいいかもしれません。このように、試験の特性や自分の得意不得意に合わせて、点数をどこでどれぐらいとるかを細かく決めていくのです。東大生だと、同じ英語の中でさえも、リスニングはこれだけ、英作文はこれだけ、読解はこれだけというように、大問ごとにどれぐらいの点数をとるのかを細かく決めている人が多いです。これを決めることによって、自分があと何点、どこでとらないといけないのかが明確になり、対策が立てやすくなります。特に、大手進学塾の模擬試験などを受けておくと、どの部分がどれだけ足りないのかが逐一把握できるため、点数戦略を立てる上でとても有効です。
また、点数戦略をたてるときに費用対効果を考えることも大事です。例えば、模試をやって古文の点数がとても低かったとします。それでショックを受けてしまって、すぐに古文の問題集を買って全部やろうとする人が多いですが、それは間違いの可能性があります。受験まで時間がない中で、苦手な古文を一から徹底的にやる余裕があるのかという話です。古文を20点伸ばすのに100時間かかるのに、英語の文法を20時間やり直せば10点上がるなら、苦手科目はあえて放置して英文法からやるべきです。時間のない受験勉強の中では、1点とるのにどれだけの時間がかかるのかというのを常に意識して戦略を立てることがとても重要です。東大生がまとめノートを嫌う理由はここにあります。確かに、世界史なんかで図や表の入ったきれいなノートをまとめて見ると勉強した気になり、自己満足することができますが、そのノートを作っている時間で市販の綺麗にまとまったテキストを読んでいる方が圧倒的に知識は身についているのです。非常に多種多様な参考書がある現代において、まとめノート、自作単語帳、友達同士の勉強会、全文和訳などなど古き悪しき伝統的な勉強方法は全て費用対効果がとても悪いということはしっかり押さえなければなりません。
戦略を立てれたら点数を伸ばすのか
こうして戦略をたてたら、その次にその点数をどのように伸ばすのかという問題が出ます。ここでもまた、効率化する方法があります。先程も言ったように、現代ではいろんな参考書が出版され、いろんな塾が個性豊かな教師を取り揃えている中で、どの参考書でやればいいのか、どの先生のどの講座をとればいいのかをしっかり組み立てていく必要があります。扱う参考書の種類、やるタイミング、やり方などなどを全て自分にあうようにカスタマイズしていく力も受験には大事ということになります。そしてその判断のために、情報収集を常に怠らないことも大事です。各科目の参考書の良し悪しについては別の機会に述べたいと思います。
とにかく、いかに効率的に勉強するか、という視点を忘れないことが、受験ではとても大事だということを感じていただければと思います。
ライター
開成中学校、高校 東京大学法学部卒
弁護士 今泉
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