理系数学の良問プラチカ―数学I・A・II・Bの使い方と難易度
1)独学可能度★★☆☆☆
・独学可能度は白、黄色、青チャートレベルの参考書を一通り学習していることを前提に設定しています。
・難関大学を目指す人にはお勧め
・問題数が少ないことからすぐに終わらせることができる
「プラチカ」は文系向けと理系向けの2種類に分かれており、さらに理系数学は1・A・2・Bと3に分けられ、合計で3種類の問題集があります。
各問題集の収録問題数としては下のようになっています。
プラチカ理系数学1A2B・・・153題
プラチカ理系数学3・・・76題
•プラチカ文系数学1A2B・・・149題
今回は理系用のプラチカ理系数学1A2B、プラチカ理系数学3について紹介していきます。
理系の場合であればすべてを合わせて230題ほどで、1日5題ずつこなしていけば1か月半ほどで1周することができ、分量としてはそこまで多くありません。このことから、独学する人にとっては比較的取り組みやすい問題集になります。問題集に収録されている問題は、質の高いものが揃えられています。レベルとしては難関大以上を目指す人が対象になります。逆に中堅からそれ以下の大学のレベルを目指す人は、この問題集をやる必要はありません。
偏差値が60を超え始め、さらに学力を伸ばし、数学を稼ぎ頭にしたい人は、できるだけ早くこの問題集を終わらせ、次のレベルの問題集に取り組みたいです。
2)相性のいい参考書
総合的研究 数学、旺文社
チャート式数学、数研出版
体系数学シリーズ、数研出版
相性の良い参考書は上に挙げた3冊があります。
総合的研究は旺文社から出版されている参考書で、一般的な教科書よりも詳しい解説が掲載されています。勉強を進めるうえで、分かりにくい部分、理解しにくい部分が細かく、丁寧に書かれていることから、本質的な数学の学習をすることができます。これをパラパラと読んだだけで、知識がすぐに増えるのではなく、じっくりと読みながら知的好奇心を刺激しながら知識を蓄えましょう。プラチカを解いていて、分からない部分があればこの本の関連ページを開いてみましょう。例題も載っているので、知識の補完に役立ちます。
チャート式問題集は有名ですが、この本は参考書でも問題集としても使える有能な構成になっています。プラチカで躓いた時にはチャート式で類題を探し、解法を参考にするとよいです。プラチカを解くレベルの人であれば、赤か青色をお勧めします。
体系数学シリーズは、中高一貫校で実際に使われているレベルの高い参考書です。必要なことがコンパクトにまとめられており、演習問題も難しい問題が多く収録されています。
3)特徴
・必要な問題を効率よく解ける
・丁寧な解説がある
プラチカの大きな特徴としては、質の高い問題が凝縮されていることにあります。どの問題も本質的な内容を聞いていることが多く、標準以上の知識がなければ解けません。標準以上の知識があり、でもその知識の使い方にはまだ慣れていない、というレベルの人が解けば効率的に学習することができます。
問題の特徴としては、複合的な問題は少なく、1分野に関係している問題が多いです。その分野に関するハイレベルの問題を取り扱っており、問題を解き進めることで1分野の最終的な知識の確認に最適です。
さらに、上の超難関校を目指す人は、複合問題などのさらに上のレベルの問題も解く必要があるので、プラチカで発展的な知識を蓄えましょう。
また、プラチカの問題解説は非常に丁寧で、式変形が途中で大きく飛んでしまっているということはありません。
問題を解いた後に、解説を読み込み、解答の流れや言葉の使い方などを書き写すと効果的です。
4)効率的な使い方と勉強方法
プラチカの問題は時間をしっかりと区切って取り組むとよいです。何時間もかけても解けない問題はありませんが、時間をかけすぎても効率が落ちるので、20~30分と時間を決めて解きましょう。
時間を決めて取り組むメリットは主に2つあります。
①本番の雰囲気を味わえる
②時間制限というストレス下で知識が定着しているかを確認できる
時間制限があると、人間はどうしても焦るので、その状況下で適切な操作ができるかを確認することはとても大事なことです。計算過程や解法の順序立てなどをストレス下でしっかりとできるようにしておきましょう。
1周目で解けなかった問題は必ず、印をつけておき、2周目で再チャレンジするようにしましょう。1周目でできている問題については、紙には書かずに頭の中で解ききり、時間の節約を図ってください。
また、プラチカの問題は良質な問題が多いことから、さらにもう1周、2周してもいいです。何周もかけて全ての問題が見ただけで解法を思い浮かべられるようになれば、本番でも使える知識になります。
もう一つ私のおすすめの学習方法が自分でテストを作ることです。これを聞くと難しく聞こえるかもしれませんが、問題集から何問か抜粋するだけでよいのです。
例えば、私は阪大志望で、阪大の数学は2時間半で5問を解かなければなりませんでした。このことから、問題集からある程度難しい問題を5問ピックアップして2時間半と時間を決めて解いていました。
自作テストを行うことで2時間半考え続けるという長期的な思考力や、問題の難しさや進捗具合によって、どの問題を捨てるか、一番高い点数を取れる方法は何かを考えながら解くことができ、より実戦に近い体験をすることができるのでお勧めです。
この方法はプラチカ以外の問題集でもできるので、参考にしてみてください。
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