2017 07/21
参考書ペディア  

良問の風の使い方と勉強法

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1)独学可能度…★★★☆☆

『良問の風』は河合出版から発売されている物理の問題集です。この『良問の風』は解説がとてもシンプルですが、きちんと基礎を固めてきた人たちにとってはむしろ過不足がなくてちょうどいい量でとも言えます。その一方で、物理にまったく触れてこなかった人たちにとっては少々ハードルの高い参考書とも言えます。故に、独学が可能かどうかは個々のレベル次第です。例えば、学校や塾の先生にすぐ分からない部分を質問できる環境にあるのであれば独学はそこまで難しくありません。本屋さんでぱらぱらと『良問の風』を読んでみた際、半分以上の問題が分からないのであれば基礎力が足りていない証拠です。このタイミングで『良問の風』を使っても効率よく知識を吸収できません。この場合にはまずほかの参考書で基礎を身に付け、その上で移行すると『良問の風』の素晴らしさが見えてくるはずです。

2)相性のいい参考書

・物理のエッセンス
・名問の森
今回紹介している『良問の風』を含めて『物理のエッセンス』と『名問の森』の3冊は同著者によるシリーズとなっています。ひと昔前までは『物理のエッセンス』を使って基礎を固めてから『名問の森』へ移るのが一般的でした。しかし、この2冊は意外と難易度の差が大きく、受験生のなかには「接続するのが難しい」との声もありました。そんな折に登場したのが『良問の風』です。『物理のエッセンス』を使えば『良問の風』を解く際に必要となる知識は全部身に付けられます。また、簡単な過去問のなかで知識を確認できるため『名問の森』にもスムーズに入っていけます。

3)特徴

まず『良問の風』には導入部分がほとんどありません。各章のはじめに公式などのまとめが一覧で表示されているだけです。ただひたすら問題を解いていくのが『良問の風』の特徴とも言えます。ですから、シンプルに問題をたくさん解きたい人にとっては最適な問題集と言えるでしょう。また、収録されている問題のほとんどがオーソドックスな癖のないものばかりです。疑問点が明確なのでつまずくことなくスラスラと進めていけます。しかし、裏を返せば発想力を問うような問題もありません。この『良問の風』の到達レベルの目安は中堅大学なので、センター試験の物理より少しだけ難しいくらいの問題を出すような大学ならここまででも大丈夫でしょう。ただ、もっと上の大学を目指したいのであればもう1冊ほどレベルの高い問題集をこなすべきです。

問題と解答が別冊になっているのも『良問の風』の特徴のひとつです。従来の問題集は巻末部分に答えがまとめられていることが多く、その都度いちいちページをめくって確認する必要がありました。これでは余計な部分に時間を取られてしまい、どうしても効率が悪くなってしまいがちでした。その意味で『良問の風』はとにかく効率よく問題を解くことに特化した参考書となっています。

4)効率的な使い方と勉強方法

繰り返しになりますが基本的に『良問の風』に載っている問題はそこまで難しくありません。そうは言っても人によっては得意な分野や不得意な分野などもあるでしょう。そういった場合には自分にできるところから消化していくのもありです。この『良問の風』では難易度が高い問題に関しては設問の横にアスタリスクマークが付いています。自信のない人はマークのない問題を中心に解いていくと良いでしょう。また、前述したように解説が非常に簡易的なので、調べ物をする時に備えてすぐ横に基礎固めに使った問題集や理解向けの参考書を置いておくとさらに効果的です。分からない部分をその都度自分で調べながら進めていけば、当然その分だけ『良問の風』から得られるものも多くなります。

ほかにも、最初に解いてみてすぐに分かった問題に関しては自分なりに印を付けておくのもオススメです。こうすることで2周目以降は間違えた問題だけを解けばいいので無駄な時間を省くことができます。さらには、自分はどの問題が苦手なのかがパッと見てすぐに分かるため、入試直前に『良問の風』を見直し際にも重宝するはずです。

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