2017 01/09
参考書ペディア  

英語長文問題精講のトリセツと勉強法

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・独学可能度 ★★★
・アウトプット型 
・レベル★★★★
・偏差値60~
・難関私大から旧帝大受験まで

参考書の特徴

この本は、旺文社の「長文問題精講」シリーズの中で一番難しいリーディングの学習書です。前期、中期、後期の3部構成になっていて、各セクションに20長文入っていますので、計60長文もあります。大学受験用の参考書として使われることが多いですが、TOEIC750 点より上を目指す人や英検の準一級や一級合格を目指している人にもおすすめです。

厳選された長文を読むことで、基礎固めが出来る

「英語長文問題精講」の一番の特徴は、シェークスピアやアガサクリスティーなどの古き良き文章を多く読むことが出来るということです。英語の勉強で土台になってくるのは「多読」です。多読と言うと、読んだ数に焦点が置かれる場合が多いですが、実は読んだ文章の一つ一つの「質」がとても大切なのです。良い文章を多く読んだからこそ、リーディングの能力を高めることが出来ます。昔から朽ちることのない名作を何度も読み返し、体の中に血肉化することで、英語の基礎が出来上がります。大学受験では、長文読解の「速さ」を重視していますが、土台となる基礎が出来ていないと、いわゆる「速読」をすることは出来ません。「英語長文問題精講」の古き良き文章を読むことによってしっかりとした土台を作ることが出来ます。

難易度は高め

長文の難易度は少し高めになっています。受験レベルだと、偏差値60以上、 TOEICなら少なくとも700点以上、英検なら準一級を持っているぐらいのレベルでないと途中で挫折してしまうかもしれません。初期の20題はあまり難しい長文はありませんが、徐々にその難易度は上がっていきます。英語は始めのうちに「基礎」を徹底して身につけないと、後で頭打ちになってしまう場合が多くあります。基礎を本気で頑張りたい人こそ、ぜひ一度トライしてみてください。

使い方

参考書を使うときに、大切なことは、その参考書を何のために使うのか、その目的を決めることです。英語は、大きく分けて「単語」、「文法」、「長文読解」に分けられます。どの分野を伸ばすために使うかを決めましょう。

英語長文問題精講は、アウトプット用の参考書です。英語の基礎となる「単語」と「文法」の勉強が一通り終わったという人は、「長文読解」の懸け橋として利用すると良いでしょう。具体的な使い方としては、まず初めに模試の問題に取り組むときのように、時間を計り、問題に答えましょう。目安としては、1題あたり20分です。そして、問題を解き終えたら、別冊の答えを見て、答え合わせをします。間違えた場合は、なぜその問題を間違えたのかをよく考えましょう。ここで、なぜ間違えたのかよく考えることで、次のミスを減らすことに繋がります。また、何がわからなかったのか、自分で知ることが出来るので、今後の勉強の課題も見えてきます。焦らず、じっくりと答え合わせをしましょう。通常の問題集ならば、ここで終わりにするでしょうが、長文問題精講は、ここで終わってはいけません。むしろ、ここからが本番です。次にやるべきことは、問題ではなく、長文の文章の方(左のページ)を精読することです。日本語訳はすべて次のページに載っています。SVOCなどの文型をすべての文章に振り、わからなかった文法事項などはすべて調べ、日本語訳もします。この作業は慣れるまでとても時間のかかる作業です。初めのうちは、2時間以上かかるかもしれませんが、慣れれば30分ほどで出来るようになるので、耐えましょう。この作業をすることで、入試に必要な速読力を身につけることが出来ます。ここまででも、十分に効果は期待できますが、もっと上のレベルに行きたいという人は、日本語訳のページから、和文英訳すると英作文の力もつけることが出来るので、おすすめです。ただし、英語よりもほかのかもくを 勉強しなければいけないという人は、ここまでする必要はありません。

目安となるペース

目安となるペースは、一人一人異なると思いますので、一か月、三か月、半年の場合のペースを載せておきます。「完成」させるためには、3回ほど繰り返せば十分と言えるでしょう。

1か月で完璧にする場合のペース

長文問題精講は、一冊で60もの長文が入っているので、1か月で完璧にするとなると、3周×60長文=180長文になります。この分量は、とても一筋縄ではいかないために、あまりおすすめはしません。どうしてもやると決心した人は、一日に6長文のペースで進めましょう。その際に、早く完成させたいからと言って、問題を飛ばしたり、長文の精読を飛ばすようなことは絶対にしてはいけません。「完成」というのは、内容がしっかり頭に入り、試験に活かせることを言います。ただ、参考書を終わらせたからと言って、力がついているわけではありません。何度も繰り返し、反復することが大切なのです。

3か月で完璧にする場合のペース

3か月で完璧にする場合は、一日2長文にしましょう。一番良いのは、3か月ペースです。参考書はあまりに急いで、終わらせると消化不良を起こす場合があります。そうなってしまうと、せっかく費やしたにも関わらず、無駄になってしまいます。時間がある人はぜひこのペースで取り組んでみると良いです。

半年で完璧にする場合のペース(×)

合わせてやっておきたい参考書

英語長文問題精講は、長文読解用の参考書ですので、事前に単語と文法をしっかりと固められる参考書をしておくと良いでしょう。おすすめの単語本は、速読英単語(必修編)やDUO、データーベース、システム英単語です。単語のコツは、「回転数」です。何回その単語を見たか、一日に何ページ進んだのか。何度も何度も繰り返しましょう。単語を覚えるときのキーワードは、量と時間です。少ない時間で、多くの単語を見て覚えるようにしましょう。スキマ時間を有効に使うと、時間の節約にもなります。文法の参考書としては、アップグレード、ネクストステージが良いでしょう。文法は、暗記と言われることが多いですが、暗記だけで覚えていると、中々覚えづらいです。理論を少し抑えてあげるとグッと覚えやすくなることもあります。そのような理論を説明している参考書は、「仲本の英文法俱楽部」、「山口英文法講義の実況中継」などがあります。英文法アレルギーを持つ生徒は多いですが、これらの本がその特効薬となったケースもあるので、一度試してみると良いです。

まとめ

長文問題精講は、古くからある参考書ですが、とても良い参考書です。ある程度のレベルの生徒が、坂道をゆっくりとゆっくりと上るように、少しずつ自分で力をつけていくのにぴったりの参考書です。受験生になると良く聞く言葉に「この参考書をやっておけば、大丈夫」というものがありますが、その言葉に流されてはいけません。前述しましたが、参考書をやるときには、まず目的を明確にします。山を登るときと同じように、ゴールが見えていないと途中で遭難する危険性があるのです。そうして、とりあえずこの参考書をやっておけば大丈夫だ、などと言い始めたら運の尽きです。長文問題精講ならば、「長文読解に慣れて、長文読解の技術を上げるために」というように、他の参考書で勉強するときも必ず目標を立てることを忘れないようにしましょう。勉強を頑張る学生が「船頭多くして船山に上る」というように、参考書の波にのまれないで、学力が育めることを願っております。

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